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snowmanさん (7j5166em)2021/12/17 23:40 (No.333705)削除「死んでも死にきれない」と思うことがあるか・・・
怪獣映画やウルトラマン物で破壊された新幹線0系であるが、戦後復興を象徴する希望の光だった。惜しまれながら、東海道新幹線としての営業を1999年に終了した。今となれば超特急ではないのだろうが、富士を背景にして走る姿は近未来を想像させ美しかった。少なくとも・・・繫栄する平和な時代の到来と思えた。
一人の男がいる…名を三木忠直、日本の大日本帝国海軍軍人、最終階級は海軍技術少佐である。新幹線の開発者・・・つまり0系の生みの親である。
戦争を激しく憎む。この動画の中でも「その死ぬために飛ぶ飛行機を作った奴は、もっとおかしくなっとんかね」と、人間の狂気へのやり場のない呟きをのせている…。狂気はさまざまな特攻兵器を考え出し、数多くの若者の命を奪った。海の「回天」、空の「桜花」…絶望的な特攻兵器であった。三木忠直は、その「桜花」の設計者であった。
Wikipediaは淡々と伝える…。
1945年8月終戦。特攻機を設計して若者達を死に追いやった罪責の念から、すでにクリスチャンであった母親と妻の勧めで渡辺善太の門を叩き、キリスト教信仰を求める。その1945年12月15日に日本基督教団中渋谷教会で洗礼を受ける。そして、クリスチャンとして日本基督教団鎌倉雪ノ下教会に所属した。戦後は、純然たる平和産業と考え、国鉄鉄道車両技術者に転身。初代の新幹線車両、新幹線0系電車の先端のデザインを設計したことで知られる他、小田急電鉄ロマンスカー3000形、懸垂式モノレールなどに携わる。
先に新幹線0系は「戦後復興を象徴する希望の光だった」と書いたが、三木忠直にとって何としても創出しなければならなかったモノではなかったのか。生み出さなければ死んでも死にきれない…そんな彼の気持ちが伝わってくる皮肉な物語である。
三木忠直
特攻機「桜花」