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snowmanさん (7j5166em)2021/9/12 15:50 (No.275130)削除「お外、雨じゃなかったら窓を開けて~」・・・
玄関の子(猫)が叫んだ。降りそうで降らない曇り空、蒸し暑さが募る。思い出した…北城の下宿のことを。
玄関から土間が続く古い家の二階、屋根裏のような部屋だった。奥は高い高い天井だったが、道路側は立って歩くこともできない圧し潰されるような天上。そして道路側は擦りガラスの窓だった。大学二年の夏、その窓に腰掛けて初めてタバコを吸った。パチパチと硝石が弾ける音がするHIGHLIGHTだった。初めてのタバコは眩暈を生じさせ、危うく二階から転げ落ちるところだった。
「お外、雨じゃなかったら窓を開けて~」…いやいや、晴れの日は窓を開けなかったなぁ。前の道は高田北城高校の通学路・・・「県立の女子高などがあるのだ!」と驚いたが、その女子高生たちが朝夕に列をなして登下校する。窓から覗いているなど、不審者か恰好の獲物(笑)になる。だから…雨の日がいい。傘をさして、雨の中を歩く女子高生は二階を振り仰ぐことなどない。窓の敷居に腰掛けて、降る雨と人波を見やる・・・。言いようのない優越感があった。